答えをださなくてもともかく考えればよいのだ。というわけで、そのときの考えや思いといったものを、計画か政策かを問わずまとめたものになった。高齢化社会への関心が高まるなかで、老人、いや、高齢者に対する特別な建築的配慮への理解も高まっていた。また、高齢者向けの特別な住宅対策も注目を集めていた。だが、それは高齢化社会への基本的対応ではないことを伝えようと思った。近代化見直しの議論もあるなかで、時代の価値観も以前よりは老人を受け入れるようになってきていた時期のことである。
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老人をテーマにすることが未だ定かではなかった頃、今は亡きある人から、「特別な人、差別されているような人を見ることによって、一般がよく見えることがある」と助言され、励まされたことがあった。意味は異なるが、火災死亡という特別な状況から、老人が置かれている状況がよく見えた気がした。